豊かな日本語と日本語文書が生み出せる『自由な創作環境』、これが次の時代に紡いでいきたい一太郎のブランドアイデンティティです。
1985年の発売以来一貫しているのは、お客様が作りたいものを自由に作れる、という設計思想。パソコンが日本人にとってまだまだ使いにくかった当時としては、プログラムを起動したらすぐに文章を書き始めることができる一太郎は、まさに画期的でした。
その後、ハードウェアの進化やインターネット、そしてWebサービスへの発展など一太郎を取り巻く環境は、めまぐるしく変化し続けています。そういった社会環境の中にあって一太郎の役割についても再考する必要がありました。
「新たなる創生」とは過去の否定ではなく、今の時代の中で一太郎というブランドを解釈し直し、未来に向けて見つめ直すことです。そのために、私たちは一太郎のすべてを見直しました。従来の「使いやすさ」に加え「気持ちよさ」「楽しさ」などの価値を付加することでワンランク上の文書作成環境を提供します。
また、Webサービスなどと連携する仕組みも提供することで新しい時代のニーズにも十分お応えできる製品に仕上がったと考えます。
ここまで変わった一太郎には新しい名前が必要だと考えました。「新たなる創生」をお客様に印象づけられる新しい名前。そのバージョンをもっとも象徴したキーワードとして「創」を選びました。そして、それを表現するために「書」という伝統的な要素を現代的な解釈で表現し直すことのできる書家に依頼しました。昨年の大河ドラマ「龍馬伝」の題字からハリウッド映画「エアベンダー」などへの書の提供で一躍脚光を浴びている新進気鋭の書家紫舟(シシュー)氏です。そして、紫舟氏はそれを見事に表現してくださいました。私たちが守りたいブランドアイデンティティ、そして新たなる創生への想いを「書」によって表現し、圧倒的に強いメッセージを発信することができたと考えています。
もっと自由に、感じたこと、考えたことを表現できる日本語ワープロを。そして、豊かな日本語を未来へ繋ぐその使命を忘れることなく、一太郎は進化し続けることをお約束します。
一太郎 企画担当 大野統己
紫舟(シシュー)
書道家。六歳から書を始める。書の本場奈良で三年間研鑽を積みのち東京へ。
NHK大河ドラマ「龍馬伝」をはじめ、外務省「APEC Japan2010」、ハリウッド映画「エアベンダー」やSUZUKIアルトCMなどに作品を提供。朝日新聞や読売新聞でも長く書の連載をもつ。海外では「パリコレ」への作品展示や国際会議での招待公演、国立現代美術館での展示など幅広く活動。書「龍馬伝」で第五回手島右卿賞を受賞。
http://www.e-sisyu.com
Photo:Susumu Yasui