2014年12月2日、東京・青山にて、翌年に30周年を迎える一太郎の新製品発表会が行われました。会場には開始時間前から多くの記者の方々が詰めかけ、受付横に並べられた歴代の一太郎パッケージを見ながら昔話に花を咲かせる場面も見受けられました。
- 初代「一太郎」から開発に携わってきた代表取締役社長 福良伴昭
会場はほぼ満席。定刻になると、会場前方のスクリーンにオープニングムービーが流れ、発表会がスタート。お客様への感謝の思いを表現した「お客様とともに、そしてこれからも」のキャッチコピーと新製品「一太郎2015」シリーズのパッケージ3種類が映し出され、期待感が高まります。
ムービーの余韻が残る中、代表取締役社長の福良伴昭が登壇。初代「一太郎」から開発に携わった自身の経験談を交えつつ、「あれから30年。常にお客様の叱咤激励を原動力に取り組んできた。今後も一太郎を通して、お客様の“思考と表現”を快適化するお手伝いをしていきたい」と意気込みを語りました。
続いて一太郎開発責任者の吉住康弘が登壇し、「IT・ソフトウェア業界で30年もの間、多くのお客様に使い続けていただいているソフトは多くない。おじいさん・お父さん・息子さん、と三代に渡って使ってくださっているお客様もおられ、本当にありがたい」と感謝の気持ちを述べた上で、「一太郎のお客様は『一太郎でなくてはダメなんだ』と強い愛着を持ってくださっている方ばかり。今回はそういったお客様に喜んでいただくことを第一に考えて開発に取り組み、30周年にふさわしい特別なパッケージができあがった」と熱く語りました。
「一太郎」開発責任者 吉住康弘
「ATOK」開発責任者 下岡美由紀
注目が集まる中、まずは「スーパープレミアム 30周年記念パック」の内容を中心に、一太郎2015シリーズの新機能を紹介。トップバッターは1989年発売の「一太郎dash」を復刻した「一太郎dash 30th」。初代dashの時代を思い起こさせる「5インチフロッピー型ケース」が紹介されると、開発陣のこだわりと懐かしさからか、記者さんたちから「ふふふ…!」と嬉しそうな笑い声が。その後も、「30周年記念フォントパック」にフォントをご提供くださったメーカーの方々からのお祝い感あふれる写真や、「一太郎モデル Intuos pen & touch」で絵を描く実演動画が紹介されるなど、30周年ならではの華のある内容が続きます。
そして一太郎2015それ自体の紹介では、お客様から寄せられた声をもとに「30項目の最適化」としてさまざまな機能追加や改善を行ったことを説明。吉住は、「開発した我々も驚くほどの良い仕上がり。自信を持っておすすめできる製品です」と力強くアピール。
そのほか、6月に公開されたばかりの電子書籍規格「EPUB3.0.1」にいち早く対応したことや、全国のお客様が投稿した一太郎へのメッセージを表示する機能「一太郎ユーザー's ボイス for 30周年」が紹介されました。
ここで登壇者が代わり、一太郎2015にも搭載される「ATOK 2015」について、開発責任者の下岡美由紀がプレゼンを。複数文節を入力した場合でも、推測候補を提示しつづけるよう強化した「推測フォロー変換」や、連想変換を強化し、より幅広い語彙を一覧から選択できるようになった「類語ファインダー」といったATOK 2015の強化点や新機能をはじめ、ATOK Passportに追加される新サービス(ATOK 2015[プレミアム]のお客様も1年間無償利用可能)として、うろ覚えことばも入力できる「ATOKナントカ変換サービス」の説明が行われました。
発表後の質疑応答では多くの質問がありましたが、特に一太郎dash 30thとATOKナントカ変換サービスが興味を引いていた様子。「25年前に一太郎dashを使っていた」という記者さんからは「最近はずっとエディタソフトを使っていたが、一太郎dash 30thのような軽いワープロソフトを待っていた。今後、継続的に製品として出していく予定はないのか?」という質問があり、吉住が「今回だけの特別企画なので、現状では継続販売の予定はないが、反響を見て考えたい」と回答を。また、ATOKナントカ変換サービスについて、「“ナントカ”ということば自体を入力したい場合に、余計な候補が出て煩わしいのではないか?」との質問には、下岡から「キーワードを任意の文字列に変更することができる」とご説明しました。
発表会を終えた後は、開発陣が記者の方々から取材に応じたり、 抽選でご招待した一太郎ユーザーのお客様との懇親会を行ったりしました。開発陣をはじめとした一太郎関係スタッフが、多くの方々に一太郎2015の魅力を伝え、また多くの方々の「一太郎への思い」を受け取る機会となりました。